生化学講座へようこそ
生化学講座(黒柳研究室)では、真核生物の遺伝子発現制御機構、特に、mRNA前駆体の転写後プロセシングを制御する個体レベルでの「細胞暗号」の解明などの基礎研究と、遺伝子変異や遺伝子発現制御機構の破綻に起因する疾患の病態発現機序の解明および治療法の開発を目指して研究を展開しています。
お知らせ
2024.12.21
アウトリーチ
2024.12.20
お知らせ
2024.12.08
アウトリーチ
2024.11.25
異動
2024.11.24
アウトリーチ
ごあいさつ
2021年4月1日付で生化学講座の担当になりました黒柳秀人(くろやなぎ ひでひと)です。
今日の最先端の生命科学は、さまざまな原理に基づく機器を駆使し、遺伝情報を操ることで、生命現象を担う分子の形を明らかにし、物理学と化学と統計学の原理で説明しようとする、精巧な実験科学です。 生命現象を普遍の原理で説明する、そういう共通の目標があるからこそ、個々の研究者は誰もが納得のいく証明を目指します。そして、その一番の動機は、自分自身が納得できる答えを自分の手で見つけたい、ということなのです。大学の研究室には、万人の疑問に答える研究をする好機が待っています。私達の世代には思いもよらない新しい発想をもったみなさんと、一緒に研究できる日が来ることを楽しみにしています。
研究内容
はじめに
ヒトを含む真核生物では、DNAから転写されたRNAがプロセシング(加工)を経て成熟したメッセンジャーRNA(mRNA)となります。この転写後プロセシングの過程で、細胞の種類に応じた選択的な制御を受けることにより、ひとつの遺伝子からでも必要に応じて多様なタンパク質が産生されます。
転写後プロセシングの可視化
黒柳は、mRNAプロセシングの制御機構を生体内で解析するために、複数の蛍光タンパク質を用いてミニ遺伝子を構築し、選択的プロセシングのパターンを1細胞レベルで可視化する蛍光レポーター作製法を開発しました。
品質管理機構で発現調節
mRNA前駆体の選択的プロセシング制御の中には、中途に終止コドンを持ち品質管理機構(NMD)で速やかに分解されるスプライスバリアントをあえて産生することで遺伝子発現量を調整する選択的スプライシングが存在します。