研究内容

拡張型心筋症モデルマウス

黒柳らは、Rbm20遺伝子のノックアウトマウスと、拡張型心筋症患者のS635A変異を模したノックインマウスを作製しました。すると、ノックアウトマウスが軽度の症状を示したのみであるのに対し、患者型ノックインマウスは若齢から心機能の著明な低下や心室腔の拡大を示したのに加えて心房細動や心室頻拍などの不整脈を発症し突然死を起こしたことから、拡張型心筋症とそれに合併する不整脈の表現型を再現する希少な疾患モデルマウスであることが明らかとなりました(Sci Rep, 2020; プレスリリース)。

当講座は、米国Mayo Clinicが作製したRbm20変異モデルブタの病態形成機序の解析にも参画しており、RSRSP配列の変異によりいわゆる液-液相分離を介して細胞質に異常なRNA結合タンパク質顆粒を形成することで心筋症の病態が引き起こされる、という新しい疾患概念を提唱しています(Nat Med, 2020)。